特別受益の持ち戻し免除について

 

♪♪♪

 

 


 

あら。今日はとてもご機嫌みたいね。

どうしたの?

 


  

私の父、今年で70歳になるのだけれど、他の兄弟には内緒って言って生前贈与で200万円もらっちゃったの!

 


 

わー!すごーい。(特別受益にあたらないのかしら・・・)

 

 


 

A子さん、とても浮かれているみたいだけど、「特別受益の持ち戻し」って言葉を知っていますか?

 


 

いいえ、きいたこともありません。

 

 


特別受益の持ち戻しとは


法定相続分や遺留分の計算の基礎となるのは、被相続人の死亡時の財産だけではありません。

相続人が生前に受けた贈与は「特別受益」としてカウントされます。

共同相続人公平の観点から、特別受益分と相続分を考慮したうえで相続分や遺留分を計算すること、これを「特別受益の持ち戻し」といいます。


例えば、相続人A、B、Cがいて、被相続人の生前、Aのみが200万円の贈与を受けていました。

これは特別受益となります。

被相続人が亡くなり、400万円の財産が残り、これを相続人三人で分けることになりました。

このときAは生前に「特別受益」を得ているので、この特別受益の200万円を戻した金額を基礎財産とし、法定相続分が計算されます。(相続人同士が合意して遺産分割を行う場合はこのとおりではありません。)

ただ、被相続人が遺言書などで、「特別受益の持ち戻しは必要ない」と記載することで、特別受益の持ち戻しが免除されます。

 そうなんですねー教えて下さってありがとうございます。

父には遺言書に「持ち戻しは必要ない」ってかいてもらわなきゃ!さっそく公証人役場に電話しよう!

 

 


そもそも遺留分や法定相続分なんて言葉が出る前に、円満に相続が進めば問題ないのですけどね。せっかくだから、令和元年7月からの改正についてもお話ししましょう。改正の要点は、持ち戻し免除が拡大されるということで、大きく二つあります。

 

 


特別受益の持ち戻し免除

①結婚20年以上の配偶者に対する自宅の生前贈与の持ち戻し免除

今回の法改正までは婚姻期間が20年以上であっても、遺言で持ち戻し免除の意思表示をしていない限りは、自宅の生前贈与が特別受益として取り扱われていました。今回の法改正により、結婚20年以上の配偶者に対する自宅の贈与は、特別受益の取り扱いを受けなくなりました。

 

 

②生前贈与について持ち戻す期間を10年間に限定

今回の法改正がされる前は、贈与の時期を問わず、特別受益としての取り扱いを受け、何年でもさかのぼり、相続の基礎財産に含めていました。つまり相続人に対する贈与は、相続開始の何年前になされたものであっても、相続財産に含まれていました。しかし今回の法律改正で、相続開始前の10年間に贈与されたものに限り持ち戻しを行う、と改正されました。

特別受益の持ち戻し免除の規定が拡大されて、被相続人の生前の意思を重んじる流れなんですね。こういった規定はありますが、まずは相続人同士でもめないことが一番ですね!