「どう変わった?遺留分侵害額請求権」

 

~【遺留分侵害額請求権】Q&A~

相続問題についてテレビなどで取り上げられるようになり、

遺留分という言葉が一般的に周知されてきました。

 

あなたが受け取ることができる最低限の遺産相続の割合をご存じですか?

 

 

例えば、遺言の内容で、

兄弟間の相続の割合に著しく偏りがあったり、

愛人にすべてを遺贈するような内容であった場合、

相続人には最低限遺産相続を保証される割合があり、

財産を請求する権利があります。

 

 

その内容が2019年7月1日以降の相続から、

名称と内容が一部変更されました。

概要をQ&Aでご説明します。

 

 

Q.そもそも遺留分とは?

 

A.相続が発生した時、法定相続人に最低限保証される

遺産を取得する割合のことを言います。

(ただし被相続人の兄弟姉妹やその代襲相続人は含まれません)

例えば、自分の父親の遺言に「財産はすべて愛人に相続する」

と書いてあった場合でも

子には法定相続分の2分の1は請求する権利があります。

これを遺留分と言います。

 

 

Q.改正後の【遺留分侵害額請求権】とは?

 

A.遺言などによって、遺留分が侵害された場合、

法定相続人が金銭を請求できる権利のことを言います。

 

 

Q.今までとどう変わった?

 

A.2019年7月1日以前は『遺留分減殺請求権』といい、

目的とする相続人の最低限の生活を守るというところは

基本的には同じです。

今までは請求の対象が、現預金に限らず、不動産や自社株も

渡すことが可能でしたが、相続で不動産を共有状態にした結果、

事業の継続が難しくなったり、子や孫などの相続時に

トラブルの種を残すことがあることから、改正後は

金銭でのみ請求可能となりました。

 

 

Q.請求する時効はある?

 

A.これまでと変わりなく「相続開始および遺留分侵害の遺言・

贈与があったことを知った日から一年以内」とされています。

 

 

Q.知らなかった場合は永遠に請求する権利がある?

 

A.除斥期間(じょせききかん)といって「相続開始から10年間」が

経過したら請求できなくなります。

 

 

Q.生前に贈与されたものは対象?

 

A.改正前は、生前に贈与されたものすべて対象でしたが、

改正後は「相続開始前10年間」に行われた贈与に限定されることとなりました。

 

 

Q.どんなメリットがある?

 

A.改正前は、遺留分が侵害された遺言や贈与の対象となった

財産そのものが請求対象だったため、請求対象が不動産の場合

「取得や取り壊し、売却の際に共有者全員の同意が必要となる」

といった運用の難しさがありましたが、

改正後、請求対象が財産そのものから金銭になったことにより、

話し合いは遺産分割時の一回で解決を図れるようになりました。

請求する側の相続人にも「本当は欲しくない財産に縛られなくて

良くなった」というメリットがあります。

 

 

Q. 具体的にどのように行使すればいい?

 

A.遺留分侵害額請求権を行使することを相手に伝えます。

時効の証明のため配達証明付き内容証明郵便を利用することを

おすすめします。

当事者間で話し合いが難航した場合、まずは

裁判所に調停を申し立てもできますし、

いきなり裁判を申し立てし、判決をもらって強制執行することもできます。

 

 

遺留分侵害額請求権という権利は、1年という非常に短い時効期間が

設定されています。

内容証明の作成や請求する金額の計算、金額の交渉等、実際の請求には

複雑な作業を要しますので、早めに専門家に相談して手続きに着手を

するようにしましょう。