相続放棄は本人だけでは終わらない(相続放棄について中編)

平成30年6月も終わりに近づき、日本のW杯の奮闘により睡眠不足が続いていた朝の事です。

 

 またまた、Aさんより電話がありました。

Aさん「先生、えらいこっちゃ!!どないしよ。」

 

わたし「まぁ~まぁ~、Aさん落ち着いて下さいよ。どうした

んですか?」

 

Aさん「昨日、乙からBへ『至急、連絡よこせー』とキッツイ 

手紙が来たんですわ。」

 

わたし「乙さんて、誰ですの?」

 

Aさん「甲の姉ですわ。」

 

 

わたし「ひょっとして乙さんは、B君が相続放棄をしたため、

甲さんの相続人になった方ですか?」

 

 

Aさん「そうなんですわ。」

 

 


※乙さんからの手紙の内容を聞くと、甲さんが借金をしていた金融会社から、B君が相続放棄をしたため、乙さんが甲さんの相続人なった事、ならびに甲さんの借金の返済義務が有るので、一度連絡が欲しい旨の手紙が来たようです。

 

乙さんは、B君の相続放棄は知らず、自分が甲さんの相続人になってしまい、借金を背負込んでしまったことによる、お怒りの手紙のようでした。

 

まずは、B君に話を聞きたいので『至急、連絡よこせー』となったのでしょう。

 

 わたし「B君の相続放棄が受理された段階で、Cさんには『次の相続人となるであろう、甲さんの祖父丙・祖母丁さん、または乙さんに連絡をとって下さいね。急に甲さんの相続人になったら、びっくりするから』と、伝えましたよね。Cさんは、連絡をとらなかったのですか?」

 

Aさん「Cには言ったんですが、祖父も祖母も亡くなってしまっ

たそうで、乙の連絡先は分からんかったようですわ。スンマセ

ン、先生」

 

わたし「そうですか~」

 

Aさん「それで、今からその手紙を持って事務所へCとBと一緒

に行きたいと思うとるんですが、先生、時間ある?」

 

わたし「では、10時にお待ちしてますね。」 


※Aさん・B君・Cさんがご来所され

 

Aさん「先生、いつも急な事でスンマセン。」

 

わたし「ところでCさん、甲さんの親族には連絡がつかなかったとの事ですが。」

 

Cさん「ええ、甲の両親は、私が甲と離婚した後に亡くなったと分かったんですが、乙さんには、電話を掛けたが通じず、手紙を出

しても宛先なしで戻って来てしまいました。今回来ました乙さんから手紙の住所は、元の住所と違っていて転居して札幌になってい

ます。」

 

わたし「そうですか。まぁ乙さんとすればびっくりして、気が動転してB君に事情を聞きたかったのでしょうね。B君、よければ今

から乙さんに電話してみようか。私は、交渉は出来ないけど、B君が相続放棄をした事情の説明ならしますよ。」

 

Aさん「先生、助かるわ。B、はよう電話してみいや。」

 

 

 ※B君が乙さん電話を掛けると、運よく通じ、私が横で聞いていても乙さんの声が聞き取れるくらいお怒りのようです。

 

 B君もただ『すみません。』の繰り返しです。

 

 横で聞いているAさんは、『先生、はよう代わってやって!!』とのジェスチャーです。

 

 それならと、B君と電話を代わり、乙さんのお怒りを鎮めるため、まずは乙さんのお話を聞くことに専念し、私からは相槌だけにしました。

 

(クレーム対応(今回は違いますが)には、まずは、相手様の言いたい事を全部話して頂き、話を途中で遮らないことが一番です。)

 

 やはり乙さんは、急に金融会社からの手紙が来たことの原因が、B君の相続放棄によるものであり、B君から事前に連絡が無かったことが、お怒りの主だった内容でした。

 

 乙さんには、両親が離婚し現在CさんがAさんと再婚し、B君もAさんを実の父親だという思いで、現在は3人で幸せに暮らしており、甲さんの相続は考えるつもりがなかった(プラス財産が有るかもしれないが、それも含めての相続放棄)との説明をさせていただきました。

 

 また、法律上乙さんが甲さんの相続人になり、乙さんも相続放棄(甲さんにはプラス財産が有るかもしれないことも含め)が出来る旨、順を追って説明させて頂き、ようやくご納得を頂くことが出来、最後は乙さんよりB君へ、今年は甲の初盆だし、一緒に墓参りでもしましょう、との嬉しいお言葉も頂き電話を置くことが出来ました。

 

Aさん「さすが先生、すごいな。助かりましたわ。」

 

 

 

私「近ければ、お会いして相続のお手続きのお手伝いが出来たけど、遠すぎますよ札幌ではね。まぁ、また今回の事でなにかあったら連絡して下さいね。」

 

Aさん「先生、ありがとうございます。神様、仏様、決断様ですわ!!。」

 

 

 

これで、今回の相続放棄に関しては完結しました。と、思っていましたが・・・・。

 

 

 

8月**日の、まもなくお盆休みという朝一番、またまた、Aさんより電話がありました。

 

 

 

Aさん「先生、寝れんのですわ!!」