平成30年5月**日午後、
以前からの知り合いであるAさんより電話がありました。
Aさん「先生、えらいこっちゃ!!今、B宛てに金融会社より借金返済請求の手紙が来たんやけど、
分からんもんで、先生に電話したんですわ。」
私「まぁ~、Aさん落ち着いてくださいよ。B君は、その金融会社からお金を借りていたんですか?」
Aさん「違うんですわ。Bの父親甲が亡くなったそうで、その金融会社に甲は借金があり、返済が済んで
なかったもので、相続人のB宛に借金の返済請求の手紙が来たんですわ。」

私「甲さんが、いつ亡くなったか分かります?」
Aさん「B宛の手紙には、平成30年2月✕✕日には亡くなった、と書いてありますわ。
なんで、甲の借金をBが負わなきゃならんのですか!!こんなわけわからん借金をBが背負うんだったら、先生、Bには相続放棄させようと思っとるんですが、相続放棄は死んでから3カ月以内にしなきゃダメなんですよね。あと、1週間しかないですわ!!どうしよ、先生。」
私「Aさん、落ち着いてくださいよ。
今一番大切なのはB君が甲さんが亡くなったのをいつ知ったかなんですよ。
平成30年2月✕✕日に亡くなったって、おじいさんやおばあさん、または親戚からは連絡がなかったんですか?」
Aさん「いやいや、なんも連絡はなかったようですわ。甲とCが離婚し、その後は連絡も取っていないとのことで、BもCも今回の手紙で甲が亡くなったのを知ったんですわ。」
私「Aさん、だいたい内容が分かったので、そんなにあわてなくてもいいですよ。今から、その手紙を拝見にそちらに伺いますから。あとB君も同席できるようならお願いしますね。」
※金融会社からの手紙に内容は、甲が平成30年2月××日に亡くなり、
その唯一相続人であるBに対する借金の返済意思の確認についてのもので、
一度連絡がほしい旨の文面でした。
B君も同席できたので、甲さんが亡くなったのを知ったのは、
この手紙届いたときに間違いないとの確認がとれました。
B君には、甲さんには他にプラスの財産が有るかもしれないので、
その調査後でも相続放棄の手続きは遅くないのでは、と話しましたが、
長年にわたり連絡もないので、甲さんの相続にはかかわりたくないとの事でした。
その後、B君から相続放棄書類取得などの委任状をもらい、戸籍の徴収をし、
甲さんの死亡日並びに甲さんとB君の相続関係の確認をし、
後日、家庭裁判所にB君の相続放棄陳述書を提出し、無事完了いたしました。
B君には、金融会社に現在相続放棄の手続きをしている旨、連絡するようにお願いしておきました。
今回のケースでは相続放棄ができる3ヶ月の開始日(起算日と言います)は、
甲さんが亡くなった平成30年2月✕✕日ではなく、
金融会社からの手紙が届いて、B君が甲さんが亡くなったことを知った平成30年5月✕✕日から
3ヶ月以内となりますので注意が必要です。

これで一安心・・・・ではなく今回の話はまだ続きます。
次回をお楽しみに!
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