8月のまもなくお盆休みという朝一番、またまた、Aさんより電話がありました。
Aさん「先生、寝れんのですわ!!」
わたし「今年の夏は連日熱帯夜が続いていますからね。」
Aさん「ちゃうんですわ。ふと、わしの相続について、どうすれば良いのか考えているうちに、寝つきが悪くなってしもうて・・・。」
※Aさんは少し前に知り合いとの会合で、Aさん自身の相続人の話になったようです。
Aさんは、自分自身の相続人は妻のCさんだけと思っていたらしく(AさんとCさんの間にお子さんはおりません。)、Aさんの実姉のEさんも相続人となることが分かり、驚いたようです。

Aさん「姉のEも相続人になるって聞いたんやけど、ほんま?」
わたし「Aさんのご両親は、大分前に亡くなっっていますので、その場合は姉のEさんが4分の1を相続する権利がありますね。」
Aさん「姉のEとは、おやじの相続でちょっと揉めちゃってね。それ以来、あまり付き合いが無いんですわ。わしの財産の4分の1も相続することが出来るとは、おかしいんとちゃいますか。」
わたし「まぁ~、これは法律で定められていますからね。」
Aさん「先生、何か良い案はないやろか?」
わたし「遺言を書くのはどうですか?」
「公正証書遺言」というのが良いと思いますよ。」
Aさん「その話聞きたいわ~、今から事務所に行きますわ。」
※Aさんがご来所され
Aさん「公正証書遺言て何ですの?」
わたし「公証役場で、公証人がAさんの相続等について話を聞き、遺言書を作成してくれるんですよ。例えば、財産を全てCさんに相続させるとか・・・。」
Aさん「でも先生、さっきは、Eにも相続権が有るって言うてたでしょ。」
わたし「Eさんには遺留分が無いんですよ。※Aさんに遺留分の説明」
Aさん「でも先生、わしよりCが先に死んだら、わしの相続人は誰ですの?」
わたし「今のままなら、Eさんですね。」
Aさん「Eかいな。どうにかならんの、先生。」
わたし「公正証書遺言の内容を検討しましょうよ。」
※主だった内容
①全ての財産をCさんに相続させる
②全ての財産をCさん2分の1相続・B君2分の1遺贈させる
(B君は相続人ではないため「遺贈」という文言になります。)
③相続財産のCさんとB君への分配方法等々
わたし「Aさん、本当に差し出がましい話ですが、良いですか?」
Aさん「ええですよ。そんな改まらんといてよ、先生。」
わたし「B君を、ご養子に迎えられたらどうですか?もちろん、B君の気持ちも大切ですが。昨年からB君もAさんの会社に入り、頑張っているみたいだし。AさんとB君、そしてCさんで話し合ってみればどうでしょう。」
Aさん「あッ、そんならBもわしの相続人になるし、安心ですわ。」
わたし「そうすれば、今のAさんのご不安も、多少なりとも解消するかも知れませんね。でも、今後の会社運営や事業承継、Aさんが亡くなった時の相続・・・色々と検討する事が必要ですので、次回は決断サポートの税務部門と法的アドバイスやリーガルチェックとして弁護士部門も交えて今後の方針を検討して行きましょう。」
Aさん「ほんま、先生たすかるわ。ありがとう。Bが甲の墓参りが終わったら、一度、家族全員で話し合いますわ。」
わたし「Aさん家族、そして会社の将来の事ですので、焦らずゆっくりと検討して行きましょう。」
Aさん「これで、ゆっくり寝れますわ。ちゅう事で、先生、今夜ひま?」
わたし「ひまそうに見えます?これでも、色々とやる事が溜まっているんですよ。」
Aさん「そんなこと言わずに。これから頑張ったら、夕方には終わるでしょ。先生の大好きな寿司をご馳走しまっせ!!」
わたし「それじゃ、リキ入れてがんばりますが、寿司屋は*森の鮨でお願いしますね~。」
Aさん「*森ですか!!。先生、人の足元みよって。・・・了解、7時に予約入れときますわ。今日も先生ありがとう。では、後で・・・。」
※後日談
Aさんは、家族で話し合いをし、B君をご養子にする事で話を進めているとのご
連絡を頂きました。
以上で、今回の話は終わりです。
長文にお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
今後とも、事案を基に分かりやすく解説してゆきますので、お楽しみに。
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